今回はフリーの管理栄養士で、ダイエット、生活習慣、癌などの栄養指導を行っている沖さんをご紹介します。
沖さんは自分で料理のレシピを考え、健康番組のTVや女性雑誌などにレシピの提供を行うなどの活動をされています。
他にもNPO法人メディカルミッションを立ち上げるなど「栄養」のスペシャリストです。
そんな沖さんですが、父が胃癌、ご自身も数年前に肺がんを患い、入院した経験があります。
入院の経験と栄養の専門家という立場から、今の夢は「ホームコンシェルジュ!」と言います。
父の癌が、教えてくれた食べることの凄さ
元々管理栄養士だった沖さんですが、最初はあまり栄養に興味がなかったと言います。
大学卒業後、栄養士の資格をあまり生かさず、大手企業で営業職の仕事をされていました。
しかし35歳の時に父が胃癌を患い、胃の全摘手術を受けました。
仕事を休み懸命に看病をしましたが、結局、半年後に父は亡くなってしまいました。
あっという間でしたが、それでも沖さんの中にふと気になることがあったそうです。
胃の全摘手術を受けた父が、食事の時に、並べられた料理の中から無農薬のものを初めに口に運ぶ姿を度々見たそうです。
もちろん父はどの料理が無農薬ということは知りません。
それはまるで自身の体にとって1番必要なものを無意識に選んでいるかのよう。
体力は限界でも、身体は生きようとしている!という印象を持ったそうです。
そんな父の姿を見ながら、食べることってすごいな!と改めて感じた沖さん。
この看病がきっかけで、もう一度栄養の勉強してみよう!と思ったそうです。
早速、沖さんはサプリメントを扱う企業に転職しました。
そこで栄養指導を行いつつ、分子栄養学を学び、ビタミンやミネラルの知識を深めていきました。
さらに栄養療法や音楽療法を学び、また自ら料理教室を開いて活動もしました。
そして7年後、NPO法人メディカルミッションを立ち上げ独立しました。
自分が癌になって分かったこと
フリーとして活動中の矢先、今度は沖さん自身が癌を患ってしまいました。
辛い闘病生活。抗がん剤や放射線治療を経験する中で、多くのことに気づかされたそうです。
その1つが、退院後の生活。
入院によって体力が落ちます。何週間ぶりに帰る家は、埃もたまり掃除をしないといけません。
また栄養がある食事を取らないといけませんが、すぐに疲れてしまいます。
私は、飼っていた猫の世話は友人に来てもらっていましたが、友人がいなかったらシッター料金も重なってしまいます。
退院後の支援の少なさに違和感を覚えた沖さん。
夢のホームコンシェルジュに!
今、やっと全てのことが繋がってきたと沖さんは言います。
私の夢はホームコンシェルジュです。ホームコンシェルジュとは、病院を退院した方や、病気で生活が大変な方のケアをやる人のこと。私の料理で少しでも元気になってもらえたら嬉しいです!
営業、管理栄養士、栄養指導、事業の立ち上げ、癌、入院…。そしてホームコンシェルジュ。
全てが繋がったと語る沖さん。
無駄な経験はないと感じさせてくれた沖さんのお話でした。