ホテルや夜の銀座で着付け師の仕事を経験したあゆみさん。
妊娠を機に仕事を辞め、出産を終えた後”子連れ着付け師”として活動を開始します。
子育て中のパパ・ママに伝えたい、あゆみさんの「働き方」とは?
二つ返事で引き受けた仕事が、子連れ着付け師を始めるきっかけ
出産から1ヶ月後、前職のお客さんから化粧品会社の新年パーティの着付けをして欲しいとあゆみさんに依頼が入ります。
2ヶ月先であれば大丈夫と軽い気持ちで仕事を引き受けましたが、仕事日が迫るにつれ「仕事中、子供はどうしようか。」という不安があゆみさんに募ります。
そこで「そうだ、仕事場に子供を連れて行こう!」と、生後3ヶ月の子供を職場に初めて連れて行くことにしました。
お相手が化粧品会社だったので女の方ばかりで「いいよ、見ててあげるよ。」と言って順番に子供を見てて下さったんですよ。スタッフと何人かで仕事をしたんですけど、全然大丈夫でした。これは子連れでも仕事ができるんじゃないかと思って、子連れ着付け師を始めることにしたんです。
これが私らしい働き方
ホームページを作るソフトを知人に教えてもらい自分のホームページを作成すると、4月の入学式の着付けの依頼を皮切りに徐々に仕事が入ってくるようになりました。
ページには「子連れで行きます。途中で授乳するかもしれないし、子供が泣くかもしれません。」と大きく書いていましたが、それでもいいから着付けして欲しいというお客さんから、毎日忙しくなるほど予約が入るようになります。
みなさん良くして下さって、「赤ちゃん懐かしいわね。」とか「赤ちゃんに会いたかったのよ。」と声をかけてくださる好意的な方ばかりでした。
子供が2歳を過ぎた今、平日の仕事には子供を一緒に連れて行き、休日は家族に見てもらっています。
行く先々で色んな人と出会えるので、人見知りや場所見知りも全くなく、旦那さんもあゆみさんの働き方を認めてくれていて、あゆみさんは自分らしく自由に働けているそうです。
「子連れで働く」という選択肢を持って欲しい
技術を持っていても出産を機に仕事を辞めなければならなかったり、働きたくても休めなかったり。
そういう方々も子連れ出勤という新しい働き方を取り入れることで、暮らしやすくなるとあゆみさんは語ります。
着付け師は土日の早朝に仕事が入ることが多いんですけど、その時間ってなかなか子供を預けられないじゃないですか。特に子供が小さいうちは、子連れでの仕事も選択肢の一つとしてなくはないなと思っています。フリーランスは産休とかないんですね。休んだらお金は入らない。仕事にもよりますけど子連れの仕事がもう少し一般的になれば、働きやすくなると思います。
あゆみさんは「自分の子供には人目や親の反応を気にせず、好きなことをやれる子に育って欲しい。」と話されていました。
お子さんも様々な現場での出会いを通して、あゆみさんのお仕事ぶりを見て、日々成長されてることと思います。
“子連れ出勤”という新しい形。職種にも依りますが、一人一人の生活スタイルに合った多様な働き方が実現できる社会になるといいですね。