プロカメラマンしいれいさんが語る、プロの写真のニッチな需要とは?

本日は、出張撮影専門の女性フォトグラファー「しいれい」さんにお越し頂き、飽和状態の写真業界にどう需要を見つけていくか?をお聞きしました。

前回の記事:写真はスマホで誰でも撮れる。だから私は「感情」を撮る

今回は、ANYTIMESメディア顧問の佐々木俊尚氏とのインタビュー対談記事です。

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しいれい さん

出張撮影専門の女性フォトグラファー

イギリス系の映像会社にてビデオグラファーを経験。その後ドキュメンタリービデオ撮影技法を取り入れた、 自然体で動きのある究極のナチュラルポートレイトを提供している。エプソンフォトグランプリ2011や三渓園フォトコンテストなど数々の受賞歴あり。

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佐々木 俊尚 氏

作家・ジャーナリスト

1961年兵庫県生まれ。毎日新聞社で記者、その後月刊アスキー編集部を経て、現在はフリージャーナリストとして活躍。ITから政治・経済・社会・文化・食まで、幅広いジャンルに精通し、40冊以上の本を出版。

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ー仕事はどういう風に見つけてくるんですか?

最初は、掲載許可を頂けたお客様の写真を、ブログで紹介しつつ記事を書いていました。その後はWEB制作の学校へ通い、HPを作りました。最初はHPやブログの写真を見て頂けた方のお問い合わせや、その口コミの2つが大きかったです。

 

ー自身でHPも立ち上げられたのですね。でもお話うかがっていると、しいれいさんにはまだ他にも秘策がありそうです。

 そうですね、実は「生前遺影のご提案」というのもあるんですよ。

 

ー遺影ですか?

 はい。子供から親へ「遺影を撮りたい」ってなかなか言えないじゃないですか?でも七五三では、おばあちゃん達も正装していますので、遺影写真には最適なんです。

 

ーなるほどー。七五三で遺影を、秘密で撮る(笑)

そうなんです(笑)パパさん、ママさんに協力してもらって、親戚メンバー全員を流れで撮っていく感じで、主役をさりげなく撮っていくんです。

 

ーこれなら自然体のおじいちゃん・おばあちゃんの表情が撮れるということなんですね。

そうなんです。実はフリーの駆け出しの時に、練習として父の普段笑っている顔を撮っていたんですね。その後、父が癌になり亡くなってしまった時に、自然体の父を撮っておいてよかったなぁと思ったんですね。家に飾ってる写真が、笑顔か笑顔じゃないかでは、全然違うんですよ。

 

ー確かにいざ撮ろうとすると表情が硬くなりますし、飾ってある写真は表情が柔らかい方がいいですね。40〜50代ぐらいの方だと、ご両親の遺影だけでなく、自分自身の遺影を撮ってほしいという依頼もあるのでは?

はい。いらっしゃいますね。何が起こるかわからないということで。ただその年代の方は「遺影です」と言っていても、ビジネスポートレートやSNSのカバー写真などに兼用される方が多いです。

 

ーなるほど。実はSNSが発展して、写真に触れる機会が以前よりも断然と増えているんですよね。だからこそ、オンリーワンの写真を撮って欲しいニーズはありそうですね。

そうだと思います。後は「メインの子どもの写真だけではなく、親とのシーンも一緒に撮る」ということを大切にしています。子供が成長して大人になった時、当時の自分の親はどんな親だったのか?と見たいと思うんですよね。

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ー確かに。昔の親の姿を見たいってことですね?

はい。子供の写真って子供だけを写すことになりがちですが、実はそうではなく、自分が成長して、昔の親と同い年になった時に、その親の姿を見たいんじゃないでしょうか?だから親と子供がやり取りしている写真を大切にするんです。

 

ー集合写真のような完成されたものではなくて、そこに至るまでの道筋やプロセスを写す方が、良い思い出になるのかもしれませんね。

はい、そういう所をちゃんと残してあげたいんですよね。私は元々動画撮影出身なので、そうでなかったら、こういう撮り方はしなかったかもしれませんね。

 

ーこれからは、スキルが高いだけではなく、自分にしか撮れないものを撮れる、これがプロなのかもしれませんね。

そうだと思います。本当だったら七五三の時もパパがカメラマンになって上手に撮れるかもしれない。でも、敢えてプロを呼んで家族全員のドキュメンタリーを残すこと、これが何ものにも代えられない価値があることなのだと思っています。

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エニタイムズでしいれいさんに写真を頼んでみよう!