◆オムレツの起源
世界中で愛されている料理、オムレツは16世紀にフランスで発祥しています。
今は世界遺産のモン・サン・ミッシェルの名物になっているオムレツは、良い卵とバターをたっぷり使うことが基本だそうですが、これはモン・サン・ミッシェルのホテル兼レストランのメール・プラール(MELE POULARD)の料理人、アネット・プラールさんが開業した時からだと言われています。
モン・サン・ミッシェルのあるノルマンディーは卵と乳製品が名産なので、美味しいオムレツを作るのにふんだんに使えそうですね。
オムレツにはオムレツ・ナチュール(卵のみ)とバターと生クリームを使う普通の木の葉型のオムレツ、オムレツプラット(円型の平たいオムレツ)、オムレツ・スフレ(焼く前に卵を泡立ててから作るオムレツ)がありますが、その国によって入れる具材や焼き方が違うので、今日はフランス風、明日はスペイン風などと作り方を変えて焼いてみるのも楽しいかもしれません。
◆モン・サン・ミッシェル風オムレツ
料理のサイトでモン・サン・ミッシェル風の美味しいオムレツの作り方を載せているところがありますが、このオムレツは昔モン・サン・ミッシェルに来る巡礼者をもてなすために、ボリューム満点のスフレオムレツを作ったのが始まりです。
生クリームは使用せず、バターと卵だけで作るのが特徴です。
2013年に元祖のラ・メール・プラールさんが来日してテレビ出演した時に家庭でもできる作り方を公表するなど、モン・サン・ミッシェルのふんわりとしたオムレツの根強い人気を感じさせます。
◆オムレツスフレ
卵は一人分につき2個以上使うのがふんわりさせるコツですが、少ない量でも多く見せることが出来るのも、オムレツスフレの魅力ですね。オムレツスフレは、卵白だけを泡立てる作り方と卵をそのまま泡立ててから使う作り方があると思いますが、それはお好み次第。
卵白だけを泡立てる作り方の時は、後で卵黄と合わせる時にさくっと合わせましょう。
(泡がつぶれたら、普通のオムレツになってしまいます。)
オムレツスフレは、作ってからしばらくするとしぼんでしまうので、出来るだけ早めにいただく方が美味しいです。
◆オムレツプラット
具材の豊かさを楽しめるのが、オムレツプラット。
このオムレツは、スペインのトルティージャやイタリアのフリッタータに代表されるように、ひらべったい円型をしているのが特徴です。
トルティージャの方は卵にベーコン、ジャガイモ、ピーマンなどの野菜がたっぷりはいっていて、ボリューム満点。
どちらかというとケーキのような厚みのある形で食べる時に切り分けるので、ちょっとしたパーティーなどで出す事も出来ますし、大勢で食べるとより美味しい優れものです。
フリッタータの方は色々な野菜を入れられるので、見た目もきれいに出来るし、卵と旬の野菜を一緒に堪能出来る美味しいオムレツです。
アボカド、パプリカ、トマト(トマトは種を除いた方が良いかも)、オリーブなどを入れると見た目にもきれいで、食欲をそそります。
おうちカフェメニューにしても、良さそうですね。
オムレツはバゲットにはさんで、サンドイッチにしても美味しいので、重宝します。
パテやバゲット、洋野菜と分けてピクニックの時に持って行くと、わくわくした気分になること間違いなしです。
トルティージャやフリッタータを焼く時はバターを使わなくても良いので、あっさりとした仕上がりに。
サラダ油でも良いですが、オリーブオイルやココナツオイルだと尚良いでしょう。
フライパンいっぱいに卵液を流し込んで焼く作り方や耐熱皿に入れて、オーブンにお任せする作り方のものがありますが、ポピュラーなのはフライパンで焼く作り方でしょう。
時々様子を見ながら、レアにならないように注意しましょう。
◆プレーンオムレツ
最後に、昔ながらの洋食屋さんメニューにある、木の葉型のプレーンオムレツです。
オムレツは一番難しい洋食メニューと言われていますが、フランスの家庭の定番料理で主婦がいつも作っているメニューです。
オムレツは男性(homme)とすばしこい(leste)を合わせたOmelette(オムレット)が語源という説がありますが、作る時に早めに仕上げることを考え
ると、頷けます。
バターと生クリームを使うことが多く、コクがある味になるのでそのままでも美味しいのですが、生クリームの代わりに豆乳を加えたり牛乳を加えた作り方でも美味しく出来ます。
シンプルなので中に具を入れたり、ソースに変化をつけたりする事が出来るのでバリエーションが豊かです。
森村桂さんの著書「森村桂パリへ行く」の中で、森村さんが滞在するパリの家庭の話が出てきます。
滞在直前にお腹を壊してしまった森村さんは、着いた晩はグリルで肉の脂を落とした牛肉のステーキを供され、翌日の昼はシャンピニオンというフランスの茸とピーマン、トマトをたっぷりのバターで炒め、卵を4個流し込んだ上に炒めた野菜を乗せてくるんだプレーンオムレツが出たそうです。
滞在先は新婚の若い夫婦だったのですが、奥さんがお料理上手であっという間に用意をしてくれたとか。
森村さんはお昼のオムレツを美味しい(bon)と言って召し上がったそうです。
フランスのパリではきれいな黄色のオムレツ(ふわとろオムレツも)は山手風、きつね色に焦げ目がついたのが下町風だそうですが、森村さんは焦げ目がついた下町風がお好みだったそうです。
森村さんが軽井沢の「アリスの森」でクリスマスイブとご自分の誕生日を兼ねて、親しいお友達を呼んでパーティーを開いていた時のこと。そのときの恒例が、大きい中華鍋いっぱいのフーヨーハイを、みんなの前でひっくり返すことでした。
そのフーヨーハイは20個の卵を使ったそうですが、森村さんは愛情を持って美味しい料理を作る人なのだという印象を受けました。
大勢で食べるフーヨーハイは、より一層美味しかったことでしょうね。
フランスの若い奥さんは、料理を作る時に自分で味見をした後必ず旦那さんにも見てもらっていたそうです。
きっと、オムレツもそうして習得したのでしょう。その国や家庭によって、様々なオムレツがあるので、ぜひトライしてみましょう。
参考サイト
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%A0%E3%83%AC%E3%83%84
ニッポンの洋食新発見。
https://www.bulldog.co.jp/special/hakken/021018/omelette.html
ぐるなびレシピ
http://recipe.gnavi.co.jp/chefidea/omelette.htm
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