木更津で絵本と関わりながら感じる、今「子供たちに必要な教育」とは?

都会を離れ、木更津に引っ越してきた美絵さん。
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美絵さんが子供と関わりながら感じる、今子供たちに必要な教育とは?

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現代美術作家

千葉県銚子市生まれ。父は洋画家の内田安彦さん。女子美術短期大学を卒業後、アルバイトをしながら個展を開く。2004年、東京都世田谷区から千葉県木更津市へ移住。現在は大学生と高校生の2人の子どもを育てながら、個展やアートスクールを開催している。PAINTING ARTIST MIE UCHIDA

子供嫌いを変えてくれたのは息子たち

子育てもひと段落し、何か新しいことを始めようと美絵さん。しかし農村には芸術家に求められる仕事はありませんでした。

それなら好きだった絵本の仕事に就こうと、木更津市教育委員会の非常勤教師になって図書室の先生を始めます。

今でこそ子供たちを相手に活動を続けている美絵さんですが、昔は子供が苦手だったそうです。

昔は子供が虫のように嫌いでした。でも自分の子供が産まれた瞬間から子供が大好きになりました。ただただ愛おしかったです。

現在長男は美絵さんの芸術性を引き継いで東京芸術大学で音楽の研究を、長女は自然の中で得た食の大切さを学ぶ為の大学へ、進学を希望されているそうです。

読み聞かせのボランティア

木更津は土地や物価が安く、都内へのアクセスも良くなったことで、震災以降特に移り住んでくる若い世代が増えたといいます。

都内だと子供はとにかくどこかの保育園に入れようという思考になりますけど、木更津は保育所の種類が充実しているのでどこに入れるか選べます。だから都会から木更津に移ってくる若い世代が多いんだと思います。

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絵本を読むのが好きで、近所の養護施設や孤児院で読み聞かせのボランティアも始めました。

都会から移り住んでくる人々の教育に求めるレベルの高さも感じています。活動を通して子供たちに絵本の楽しさを伝えたいですし、親たちにも私が子育てを経験して得た、子供への関わり方を教えられたらと思っています。

教科書をめくれない一年生

美絵さんが図書室で働いて驚いたのが、教科書がめくれない一年生がいたこと。

何をしたかというと、スマホを操作するように教科書を指先でスクロールしながら「先生〜動きません。」と訴えてきたといいます。

スマホなどのデジタル機器は便利ですが、教育上弊害もあります。子供のときに手遊びで指先を使ったり、登る、降りる、穴を掘る、泳ぐなど、手や足全身を使った動きで自然の中で遊ぶことは大事です。体を動かすことによって脳が鍛えられて、自分で自分の道を決める力がつくからです。

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さらに大人は子供の教育環境を真剣に考える必要があると、美絵さんは続けます。

これは木更津の問題だけではないのですが、今の子供たちには子供のためのコミュニティがありません。大人たちの目を気にしながら自分を押し殺しているうちに不登校になったり、たくさんのエネルギーを発散できるポジティブな場がないため、才能を生かせないのです。子どもたちの力を伸ばすためにも教育環境はとても大事なんです。

3/3 美絵さんが芸術を通して伝えていきたいこととは?

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