子供の幸せな記憶作りに、絵本の読み聞かせは最適であることを教えていただきました。
今回は「絵本選び」に焦点を当てて深掘りしていきます。
なぜ子供の「絵本選び」を疎かにしてはいけないのでしょうか?
絵本選びの基準は「子供目線」
子供のための絵本、でも子供は自分で自分の読む絵本を選べません。子供を持つ親には、絵本を選ぶ目を養ってほしいと言います。
例えば、同じ昔話『桃太郎』でもたくさんの出版社が絵本を出しています。
絵本を選ぶ時のポイントはずばり、「この絵本は、子供が読んで納得するかな。」という子供目線。
そして読み手が本の持つメッセージを良く理解し、それを子どもに伝えたいと思うかです。
自分で読んで、共感できる本を読むことが大切です。
例えば『かあさん』(福音館書店)という絵本があります。色んな動物の子供が「かあさん。」って言うとお母さんが「はい、ここよ。」って答えるんですけど、お母さんは目に余るくらい大きくて、ページに全身が入っていないんですよ。なぜだと思います?お母さんは大きくて頼りになる存在だから大きく描かれているんです。こんな風に親や読み手には、本のメッセージを自分なりに思い描いて、共感できる本を読み聞かせて欲しいんです。それはきっと聞き手に伝わると思うので。
信じる心の場所を作る
擬人化された動物、魔女、王様、欲張り、嘘つきなど、絵本には色んなキャラクターが登場します。
そんなキャラクターを見て、子供は世の中には色んな人がいるということを感じることができると言います。
魔女とかって小さい時は信じられるけど、大きくなると「本当はいないんだ。」ってだんだんわかってくるじゃないですか?でも大きくなっても、それを信じていた心の場所はちゃんと残ってる。それがやがて、愛情だったり、友情だったり、思いやりだったり、そういう目に見えないものもきっとあるはずだと、信じる心の場所になるそうよ。
絵本で子供に嘘をついてはいけない
おはなしの中に少しでも矛盾があると、子供は納得しない。
例えば『おおかみと七匹のこやぎ』の絵本で最後に狼が死んでしまうシーンをカットして、狼と仲良しになるように話を脚色したものがあります。
これは本当はNGで、子供は狼がちゃんと井戸に落っこちないと、また襲ってくるんじゃないかと心配になってしまうと言います。
大人の都合で話を変えちゃいけないんです。残酷なお話でも子供は意外とスルーします。悪いことをしたら必ず報いがあるってことを伝えないといけません。それから子供は絵の細かいところまで見て想像力を働かせます。絵は嘘ついちゃだめなんです。
やっぱり紙の絵本を使って欲しい
最近はスマホやタブレットでも、本が読めるようになりました。
それでも紙の本は年間約3000冊発行され、絵本はその中の30%を占めるといいます。
絵本を読み聞かせる時は、電子データではなく紙の絵本を使ってほしいと岡本さんは訴えます。
たくさん読み聞かせてボロボロになった絵本を、大きくなった子供に見せてあげるんです。その時の幸せだった時間も絵本と一緒に思い出せますよ。古ぼけた絵本はその子、そしてその家庭の宝物になります。だから(スマホの画面を操作する動作をしながら)これじゃなくて、紙の絵本を使って欲しいんです!
たかが絵本、されど絵本。絵本を選ぶ際には、是非この記事のことを思い出してみてください。
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