読み聞かせについて「東村山うちでのこづち」代表の岡本さんにお聞きしてきました。
最終回は少し話を広げ、読書のお話からスタート。
岡本さんの今後の活動の展望についてもお聞きしました。
本を読むと、自分の言葉で話す力がつく
子供にとって読書をすることは、なぜ良いのでしょう?
文字を読んで自分の頭の中で映像や、イメージを作るでしょう?つまり本が読めるってことは、言葉を自分の心に取りこめるってことなんですよ。そういう子は自分の思いを言葉に置き換えることができて、文章を書いたり、何かを作る創造力も育ちます。
本を読むことで言葉で自分の思いを伝えたり、相手の言っていることを理解する力が身につきます。
自然と自分の言いたいことが言えなくてキレたり、喧嘩する子がいなくなると岡本さんは言います。
「おもちゃ貸して」って言われたら、「いいよ。」って言いましょうみたいにステレオタイプに会話を教えようとするけど、貸したくないときもあるでしょ。だから、「今遊んでるから、あと10分待っててね。」と相手を納得させるように「思い」を言葉で伝える力を付けることが大事。そういう会話が出来るようになれば、自分の気持ちを言葉にすることが出来るから、どんな状況でも困らない。これが大人になってすごく大事になって来るんですよ。
地域の消防士さんと連携
読み聞かせの活動は、地域の消防士にまで波及しています。
アメリカではよく消防士が地域の子供に絵本の読み聞かせをするそうです。
それを日本でもできないかと、岡本さんは市民協働課の方に連絡。防災安全課につないでもらい地元の消防士さんをゲストに迎えたおはなし会が実現しました。
通報があったらすぐに火事の現場に行けるよう、消防車で会場まで来ると言われてびっくり仰天!
大変でしたけど、それはそれで臨場感があって面白いなと。消防士さんとお話しているうちに、私たちも消防車よりも中にいる消防士さんに目が行くようになって(笑)さよならするときには、消防士さんが窓越しに子供たちに握手をしてくれたんです。子供たちにとってはすごくいい経験ができたと思いますよ。
憧れの消防士に読み聞かせをしてもらい、子供たちも興味津々の様子でした。
本の素晴らしさを中高生にも伝えたい
これからママになる方へマタニティおはなし会を開催したり、今冬にはパパと楽しむ読書会を企画したりと、おはなし会の輪をさらに広げる岡本さん。
中でも今一番関心があるのは、中学生、高校生に本の楽しみを伝える活動です。
岡本さんは現在、東村山市の中学校の「地域の人に学ぶ会」という授業で年に一回、中学生におはなし会の様子を伝えるボランティア活動もしています。
中高生を取り込んで、読書をする楽しみ、それを提供する楽しみを感じてもらいたいです。ビブリオバトルみたいなのをやったり、小さい子向けに絵本の語りをやってもらうのも面白いと思います。いろんな方がコラボして、つながりができたらいいですね。
時折、他市にも招かれて活動をしているという東村山うちでのこづち。活動の仲間を少しずつ増やしていきたいと言います。
思いを一つにして活動してくれる仲間がいるからこそ、この活動が出来ています。結構おっちょこちょいで間違う事も多いけど、しっかり者の仲間のお陰でいつも助けられます。こづちのみんなには本当に感謝!
岡本さんは耳に障がいがあり補聴器をされていますが、インタビューに伺った日は、なんと右耳の補聴器が壊れていたそうです。
そんな中、子供の声がうまく聞こえない時には他のメンバーの方々がフォローを入れるなど、素晴らしいチームワークを発揮されていました。
口と、目と、体が動く限り、私たちのおはなし会を見たいって言ってくださる所には喜んで出来る限り伺いたいです。読み聞かせのアドバイスも、その先に笑顔の子ども達がいることを思うと、私で分かる範囲で良ろしければいくらでも、って感じ。エニタイムズでそんなご依頼があれば嬉しいですね!!
これからも深く心に残るおはなし会の輪を、少しずつ広げていって欲しいと思います。